「基地局関連メーカ各社の動向-2002年度上期-」

【要約】
各メーカは売上減少
携帯電話市場における新規加入が伸び悩みをみせる中、2001年10月のNTTドコモ「FOMA」に続き、KDDIも2002年4月からCDMA2000 1x方式を開始させた。

残るJ-フォンも12月20日から「Vodafone Global Standard」をいよいよ開始させた。

PDC方式ネットワークが全国的に拡大し、ほぼ完成されたネットワークになりつつある現在、基地局関連メーカは携帯電話事業者各社から3Gネットワークにおける受注を待っている状態だ。

しかし、2002年度上期はNTTドコモのFOMAが低迷を続け、FOMAの需要見合いによる設備容量の見直しや資材調達価格の低減から、FOMAネットワークの拡充計画に遅れが生じてしまった。

その結果、当初2002年度通期のユーザ獲得は138万台から32万台へと下方修正された。

その影響を受けてしまったのが基地局関連メーカであり、基地局メーカは3Gシステム受注が鈍り、基地局工事会社も工事案件の見送りへとつながった。

【キーワード】
☆増産完了のメーカ!!
NTTドコモによる「FOMA」ネットワークの拡充に伴い、すでに基地局メーカ各社は増産体制を整え終えている。

J-フォンによる「Vodafone Global Standard」も開始され、W-CDMA方式基地局の需要も高まるものとみられる。

また、KDDIも2003年春にはCDMA2000 1xEV-DO方式の開始が待たれている。

★関連メーカは海外へ!!
基地局メーカと同様に基地局関連メーカ各社も、2002年度上期は前年同期を割る業績となった。

しかし、各社は国内で培ったW-CDMA方式AMPなどを用い、海外における3G通信機器事業へ進出していく考えだ。

PDC方式とは異なり、W-CDMA方式は海外でも利用できるため、海外事業者による早期的な3Gサービス開始が期待される。

☆不振続く工事会社!!
基地局工事会社ではNTTグループによる工事減少以外に、一般工事の受注不振も重なった。

各社にとって、BTS設置工事は事業の中心となりえるものであり、下期以降も各携帯電話事業者の3Gネットワーク拡大計画に業績が左右されそうだ。

【市場規模】
総務省によれば、2001年度には全国で55,000台の携帯電話基地局が稼動しているという。

2002年度はNTTドコモの「FOMA」以外に、KDDIのCDMA2000 1x方式も2002年4月から開始され、J-フォンの3Gサービス「Vodafone Global Standard」も12月の開始に向け、準備が進んでいる。

表:各携帯電話事業者の基地局数の推移と予測(単位:台)
年度   2001 → 2006
NTTドコモ
        21,500→37,000
KDDI 21,500→17,000
J-フォン
        12,000→20,000
合計  55,000→74,000
※2002年度以降はエムレポート推定。

【各携帯電話事業者における設備投資額】
3G拡大、PDC抑制
NTTドコモとJ-フォンは2003年中にはW-CDMA方式ネットワークを全国的に拡充させる計画であり、その後も積極的にサービス・エリアの整備が見込まれる。

一方、PDC方式ネットワークに対する設備投資は今後、縮小されていくのが明白だ。

すでにKDDIは2002年3月末にPDC方式の新規申込を停止し、2003年3月末でPDC方式サービスを停止させ、CDMA2000 1x方式の一本化を図る。

そのため、KDDIではPDC方式への設備投資はほとんど実施していない。

しかし、今後も基地局や交換機など各種設備のメンテナンスは必要であり、細々とした投資が行われていくものとみられる。

正式版からの抜粋を含め、いろいろと本レポートをご紹介させていただきましたが、ご興味のある方はご購入いただければ幸いです。

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